ダイヤグラム(速さとグラフ)─ 難関校で問われる読み取り方
速さの問題は、学年が上がるにつれて文章からグラフに移っていきます。難関校では、旅人算をそのまま文章で問うことは減り、ダイヤグラムを読ませる形式が中心になります。
グラフになると急に解けなくなる子が多いのですが、原因ははっきりしています。グラフを「絵」として眺めていて、どこに情報があるか知らないためです。
見るべき場所は3つしかありません。
読み取る3点
1. 傾き = 速さ
線が急なほど速い。グラフを見た瞬間に「どちらが速いか」は計算せずに分かります。上の図なら、兄の線のほうが急なので兄が速い。
傾きの正体は 道のり ÷ 時間 なので、傾きそのものが速さです。グラフから速さを出すときは、線が通る2点を読んで割り算します。
兄: 20分で1800m進んでいる
1800 ÷ 20 = 分速90m
2. 交点 = 出会い
2本の線が交わる点は、同じ時刻に同じ場所にいることを意味します。つまり出会った瞬間です。
上の図では12分後、Aから1080mの地点で交わっています。文章題の「出会うのは何分後か」は、グラフでは「交点のx座標を読む」だけになります。
3. 折れ曲がり = 何かが変わった
線が途中で折れていたら、そこで速さが変わったか、向きを変えたかのどちらかです。
- 傾きがゆるくなった → 遅くなった
- 水平になった → 止まっている(時間は進むが道のりが増えない)
- 下向きに変わった → 引き返した
難関校の問題は、この折れ曲がりを何回も作って状況を複雑に見せてきます。折れ曲がりに印をつけて、区間ごとに分けて考えるのが定石です。
自分で解いてみる
上のグラフの場面を、文章にするとこうなります。
1800m 離れた A 地点と B 地点から、兄は A を、弟は B を同時に出発して向かい合って進みました。兄は 20 分で B に着き、弟は 30 分で A に着きます。2人が出会うのは何分後ですか。
グラフを使わずに解くと、まず速さを出します。
兄: 1800 ÷ 20 = 分速90m
弟: 1800 ÷ 30 = 分速60m
向かい合っているので、1分で縮まる距離は速さの和です。
90 + 60 = 分速150m
1800 ÷ 150 = 12分後
グラフの交点(12分)と一致しました。旅人算とダイヤグラムは同じことを別の形で書いているだけです。ここが腑に落ちると、グラフへの苦手意識はかなり薄れます。
子どもに教えるときのコツ
グラフを見たら、まず軸を読ませてください。 縦が何で横が何か。ここを確認せずに線を追い始めると、速さと道のりを取り違えます。意外に思われるかもしれませんが、軸を読まない子は非常に多いです。
線を指でなぞらせてください。 「兄は今どこにいる?」と時刻を指定して聞くと、グラフを位置情報として読めているか確認できます。
文章題とグラフを往復させてください。 文章で解いた問題をグラフに描かせる、逆にグラフから文章を作らせる。この往復が、難関校の複雑な問題に対応する土台になります。
難関校で加わる要素
基本が読めるようになったら、次はこの3つが典型的に加わります。
- 途中で休憩が入る(水平な区間ができる)
- 3人以上が登場する(線が3本以上、交点も複数)
- 一部の情報が空欄(グラフから逆に速さや距離を求めさせる)
いずれも、区間で区切って、1区間ずつ傾きを読むという手順は変わりません。複雑に見えても、やることは増えていないという点を伝えてあげてください。
読んだら、実際に解いてみよう
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