トクマル算数

くり上がり・くり下がりの教え方 ─ 先に「10をつくる」練習を

2026-10-05 更新 ・ 保護者向け

小学1年生の算数で、最初の大きな山が「くり上がりのたし算」と「くり下がりのひき算」です。8 + 5 や 13 − 8 のような計算です。

ここでつまずく子は少なくありません。そして多くの場合、原因はくり上がりそのものではなく、その手前にあります。

つまずきの原因は「10 のペア」

くり上がりの計算は、頭の中で「10 をつくる」作業をします。そのためには、あといくつで 10 になるかがすぐ出てこなければなりません。

1と9  2と8  3と7  4と6  5と5

この「10 のペア」が反射的に出ない状態でくり上がりを習うと、ひとつの計算の中でやることが多すぎて、パンクしてしまいます。

くり上がりが苦手なら、まず 10 のペアに戻る。 これがいちばんの近道です。「7 は?」「3!」と、あといくつで 10 かを答える遊びを、数日でよいので続けてみてください。

くり上がりのたし算

学校では「さくらんぼ計算」と呼ばれる方法で習うことが多いです。

8 + 5 を例にします。

8 は あと 2 で 10
5 を 2 と 3 に分ける
8 + 2 = 10
10 + 3 = 13

やっていることは3段階です。

  1. 大きいほうの数が、あといくつで 10 になるか考える
  2. もう片方の数を、その数と残りに分ける
  3. 10 をつくって、残りを足す

大人には回りくどく見えますが、「10 といくつ」で数をとらえるという、この先の筆算や大きな数の土台になる考え方です。答えを覚えさせるより、この手順を自分の言葉で説明できることを目指してください。

くり下がりのひき算

ひき算には2つのやり方があります。13 − 8 で比べます。

ひいてから足す方法(減加法)

13 を 10 と 3 に分ける
10 − 8 = 2
2 + 3 = 5

10 のかたまりから一気に引いて、残っていたバラを足します。学校で最初に習うのは、多くの場合こちらです。

少しずつ引く方法(減減法)

8 を 3 と 5 に分ける
13 − 3 = 10
10 − 5 = 5

まずバラの分だけ引いて 10 にし、残りを引きます。

どちらで解いても構いません。 子どもによって、しっくりくる方法がちがいます。大切なのは、どちらも10 を経由していることです。学校で習っている方法と家で教える方法が食いちがうと混乱するので、まずは教科書やノートでどちらを使っているか確認してください。

家庭での進め方

具体物から始めてください。 おはじき、ブロック、10個入りの卵パックなどが使えます。卵パックに 8 個入れて「あと 2 個でいっぱい」と目で見えると、10 をつくる意味がすぐ伝わります。

指を使うことを禁止しないでください。 指は子どもにとって最初の計算道具です。無理にやめさせると、算数そのものが嫌いになります。10 のペアが身につけば、指は自然に使わなくなります。

1日の量は少なくしてください。 5 問を毎日のほうが、50 問を週に1回より確実に定着します。短い時間で「できた」で終わるのが理想です。

速さを求めるのは最後です。 手順を説明できる → まちがえずにできる → 速くできる、の順番です。早い段階でタイムを計ると、考えずに数えて答える癖がつきます。

よくあるつまずき

数えたしで答えを出している。 8 + 5 を「9、10、11、12、13」と数えている状態です。答えは合いますが、数が大きくなると通用しません。10 のペアの練習に戻るサインです。

さくらんぼで分ける数をまちがえる。 8 + 5 で 5 を「1 と 4」に分けてしまうなど。これも 10 のペアがあいまいなことが原因です。

ひき算で、引く数と引かれる数を逆にする。 14 − 6 の一の位を「6 − 4 = 2」と計算してしまう間違いです(正しい答えは 8)。「大きい数字から小さい数字を引く」と思いこんでいると起こります。筆算に入ってから表面化しやすいので、今のうちに「上の数から下の数を引く。足りなければ 10 を使う」と確認しておくと安心です。

あせらなくて大丈夫です

くり上がり・くり下がりの定着には、個人差がとても大きく出ます。1年生の終わりまでにゆっくり身につけば十分です。

「何回言ったら分かるの」と言いたくなる場面もあると思いますが、この時期の子どもは、同じことを何十回もくり返して少しずつ自分のものにしていきます。昨日できなかったことが今日ひとつできた、という見方をしてあげてください。

読んだら、実際に解いてみよう

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