立体の切断 ─ 切り口は「3つのルール」で描ける
立方体を平面で切ったとき、切り口はどんな形になるか。難関校の図形で定番の出題です。
この単元は「空間認識のセンスが必要」と思われがちですが、実際は逆です。頭の中で立体を回す必要はありません。 3つのルールどおりに線を引けば、切り口は誰でも描けます。
3つのルール
ルール1:同じ面の上にある2点は、まっすぐ結ぶ
切り口の線は、必ず立体の面の上を通ります。同じ面にある2点はそのまま結べます。逆に、同じ面にない2点を結んではいけません。立体の中を突き抜ける線になってしまうからです。
ルール2:向かい合う面には、平行な線が引かれる
立方体の向かい合う面は平行です。平行な2つの面を1枚の平面で切ると、切り口の線も平行になります。片方の面に線が引けたら、反対側の面にはそれと平行な線を引きます。
ルール3:行きづまったら、線と辺をのばす
ルール1と2で進めなくなったら、切り口の線と立方体の辺をのばして、交わる点を作ります。その点は、となりの面の上にもあるので、新しく結べる相手が生まれます。
基本的な問題はルール1と2だけで解けます。ルール3は応用で必要になります。
例題
1辺 6cm の立方体を、3つの頂点 B・D・E を通る平面で切ります。切り口はどんな形ですか。また、頂点 A をふくむほうの立体の体積は何 cm³ ですか。
切り口を描く
ルール1だけで描けます。
- B と D は、どちらも上の面にある → 結ぶ
- B と E は、どちらも手前の面にある → 結ぶ
- D と E は、どちらも左の面にある → 結ぶ
3本の線で囲まれたので、切り口は三角形です。しかも3本とも「正方形の対角線」で同じ長さなので、正三角形になります。
体積を求める
A をふくむ立体は、かどを切り落とした三角すいです。底面を三角形 ABD、高さを AE とみます。
底面積 6 × 6 ÷ 2 = 18cm²
体積 18 × 6 ÷ 3 = 36cm³
立方体全体は 6 × 6 × 6 = 216cm³ なので、切り落とされるのは全体の 6分の1 です。この「かどの三角すいは 6分の1」は、難関校の問題でくり返し使われます。
切り口の形の見当をつける
切り口の辺の数は、平面がいくつの面を通るかで決まります。面を1つ通るごとに、辺が1本できるからです。
| 通る面の数 | 切り口の形 |
|---|---|
| 3つ | 三角形 |
| 4つ | 四角形(長方形・ひし形・台形など) |
| 5つ | 五角形 |
| 6つ | 六角形 |
立方体の面は6つなので、七角形以上にはなりません。6本の辺のまん中の点を順に通るように切ると、正六角形になります。
子どもに教えるときのコツ
「この2点は同じ面にある?」と毎回聞いてください。 これがすべての出発点です。同じ面にない2点を結んでしまうのが、いちばん多い間違いです。
実物を切るのがいちばん早いです。 とうふ、大根、スポンジなど、家にあるもので十分です。3点に印をつけて包丁を入れると、ルールどおりの切り口が現れます。一度体験した子は、紙の上でも迷いにくくなります。
見取り図に自分で線を引かせてください。 解説の完成図を眺めても力はつきません。白紙の立方体に、ルールを声に出しながら1本ずつ引く練習が効きます。
よくあるつまずき
立体の中を通る線を引く。 ルール1の違反です。切り口の線は面の上しか通りません。
平行に引くのを忘れる。 四角形以上の切り口では、ルール2を使わないと残りの頂点が決まりません。「向かい側の面にも同じ傾きの線」と声をかけてください。
体積を「半分」と思いこむ。 切断面が立方体の中心を通るときだけ、体積は半分になります。それ以外は、三角すいや三角柱に分けて計算します。
読んだら、実際に解いてみよう
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