トクマル算数

平面図形の相似 ─ 「ピラミッド」と「ちょうちょ」を見つける

2026-10-05 更新 ・ 保護者向け

相似は、中学受験の図形でいちばん出題される考え方です。面積比、影の問題、点の移動、立体の切断まで、あらゆるところに顔を出します。

ところが多くの子は、相似の計算はできるのに得点できません。理由は、図の中に相似があることに気づけないからです。

探す形は2つだけです。

形その1:ピラミッド型

A B C D E 4cm 6cm 6cm ?cm
DE と BC は平行。小さい三角形 ADE と大きい三角形 ABC が相似になる

三角形の中に、底辺と平行な線が1本引かれている形です。小さい三角形 ADE と、全体の三角形 ABC が相似になります。

上の図で、DE と BC は平行です。BC の長さは何 cm ですか。

相似比は、対応する辺どうしで比べます。

AD : AB = 4 : (4 + 6)
        = 4 : 10 = 2 : 5

DE と BC も同じ比になるので、

DE : BC = 2 : 5
6 ÷ 2 × 5 = 15cm

ここで最も多い間違いは、AD : DB = 4 : 6 を相似比にしてしまうことです。比べるのは小さい三角形の辺 AD と、大きい三角形の辺 AB(全体) です。DB は三角形の辺ではありません。

形その2:ちょうちょ型

A B C D O 6cm 9cm
AB と CD は平行。上の三角形 OAB と下の三角形 ODC が相似になる

平行な2本の線のあいだで、線が×の形に交わっている形です。上下の三角形が相似になります。砂時計型とも呼ばれます。

AB : CD = 6 : 9 = 2 : 3

これが相似比なので、交点 O までの長さも同じ比になります。

AO : OD = 2 : 3
BO : OC = 2 : 3

ちょうちょ型で注意するのは対応する辺の向きです。上の三角形の左の頂点 A は、下の三角形では右の頂点 D に対応します。×の線をたどった先が対応する点と覚えると取り違えません。

面積の比は「2回かける」

相似比が 2 : 3 のとき、面積の比は 2 : 3 ではありません。

面積比 = (2×2) : (3×3)
       = 4 : 9

底辺も高さも 2 : 3 なので、かけ合わせた面積は 4 : 9 になります。

ピラミッド型の例なら、相似比 2 : 5 なので三角形 ADE と ABC の面積比は 4 : 25。残りの台形 DBCE は 25 − 4 = 21 にあたります。**「全体から引いて台形を出す」**ところまでが定番の流れです。

子どもに教えるときのコツ

まず平行な線を探させてください。 ピラミッドもちょうちょも、平行線がなければ生まれません。問題文に「平行」とあったら、あるいは長方形や平行四辺形が出てきたら、相似を疑う合図です。

相似な三角形を2つ、別々に描き直させてください。 図の中で重なったままだと、どの辺とどの辺が対応するかを取り違えます。同じ向きにそろえて横に並べて描くだけで、ミスが大きく減ります。

辺の比なのか面積の比なのか、書き分けさせてください。 「2 : 3」と書いたら、その横に「(辺)」「(面積)」とメモさせます。難関校の問題は、この2種類の比を何度も行き来させてきます。

よくあるつまずき

一部の長さを相似比にしてしまう。 ピラミッド型で AD : DB を使う間違いです。必ず「三角形の辺どうし」で比べます。

面積比を辺の比のままにする。 2回かけるのを忘れます。逆に、面積比 4 : 9 から辺の比 2 : 3 に戻す問題も出ます。

相似が隠れている図で気づけない。 長方形の対角線と、頂点から辺の途中へ引いた線が交わる図は、ちょうちょ型の典型です。**「平行な2辺のあいだに×があるか」**を習慣的に探させてください。

読んだら、実際に解いてみよう

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