水そうグラフ ─ 傾きが変わったら「入る面積」が変わった
仕切りのある水そうに水を入れ、水面の高さの変化をグラフで問う。難関校で頻出の形式です。
一見すると複雑ですが、見るべきものは「底面積」ひとつだけです。
例題
高さ 30cm の直方体の水そうがあります。真ん中に高さ 20cm の仕切りがあり、仕切りで分けられた左右の底面積はどちらも 300cm² です。左側に毎分 600cm³ の割合で水を入れます。左側の水面の高さは、どのように変わりますか。
傾き=1分あたりに上がる高さ
水面が 1 分で何 cm 上がるかは、割り算ひとつで出ます。
1分に上がる高さ = 入れる量 ÷ 底面積
底面積が大きいほど、ゆっくり上がる。 これがこの単元の中心です。
区間に分けて考える
区間1:左側だけに水がたまる(0〜10分)
水は左側だけに入ります。底面積は 300cm²。
600 ÷ 300 = 毎分2cm
仕切りの高さ 20cm に達するまで 20 ÷ 2 = 10分 かかります。
区間2:仕切りを越えて右へ流れこむ(10〜20分)
左が 20cm になると、水は仕切りを越えて右側へ落ちていきます。このとき左側の水面はそれ以上上がりません。入った水がすべて右側へ流れるからです。
右側が 20cm になるまで、左と同じだけかかります。
300 × 20 = 6000cm³ → 6000 ÷ 600 = 10分
この 10 分間、左側の水面は 20cm のまま。グラフは水平になります。
区間3:左右つながって一緒に上がる(20〜30分)
右も 20cm になると仕切りが水没し、以降は水そう全体がひとつの入れ物になります。底面積が 2 倍になるので、上がり方は半分です。
底面積 300 + 300 = 600cm²
600 ÷ 600 = 毎分1cm
30cm の高さまであと 10cm なので 10 分。
グラフにするとこうなります
傾きの変化が何を意味するか
グラフの形から、水そうの中で何が起きたかを逆に読み取れます。ここが解ける子と解けない子の分かれ目です。
| グラフ | 水そうで起きていること |
|---|---|
| 急になった | 入る場所が狭くなった(底面積が小さい) |
| ゆるくなった | 入る場所が広がった(底面積が大きい) |
| 水平になった | その場所の水位が止まった(別の場所へ流れている) |
**「傾きが変わった=底面積が変わった」**と機械的に結びつけられるようにしてください。
子どもに教えるときのコツ
「今、水はどこに入っている?」と何度も聞いてください。 区間ごとに答えられれば、その子は状況を理解しています。式より先にここです。
傾きの比と底面積の比が逆になることに気づかせてください。 区間1と区間3では、底面積が 1:2 で、上がる速さは 2:1 です。この逆比の関係は、比を使う問題でそのまま武器になります。
満水になる時刻を確かめさせてください。 全体の体積は 600cm² × 30cm = 18000cm³、毎分600cm³なので30分。グラフの右端と一致します。別の計算で同じ答えになる経験が、自信につながります。
よくあるつまずき
どこの高さを聞かれているか読み違える。 「左側の水面」と「右側の水面」ではグラフの形がまったく違います。問題文に線を引かせてください。
仕切りの体積を無視してしまう。 難関校では仕切りに厚みがある設定も出ます。その場合、底面積から仕切りの分を引く必要があります。
グラフから底面積を逆算する問題。 傾きが分かれば 入れる量 ÷ 傾き = 底面積 で出せます。この向きの計算にも慣れておくと安心です。
読んだら、実際に解いてみよう
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