旅人算とは ─ 「2人の差が1分でどれだけ縮むか」で考える
旅人算は「出会い算」と「追いかけ算」の2種類がある、と教わることが多い単元です。
しかし2つを別の公式として覚えると、問題文を読んでどちらを使うか迷うようになります。実際には、どちらも同じ一つの考え方で説明できます。
中心にある考え方
旅人算で見るべきものは、ただ一つです。
2人の間の距離が、1分間にどれだけ変わるか
これさえ出せば、あとは割り算をするだけです。
向かい合って進む場合(出会い算)
1560m離れた地点から、兄は分速70m、弟は分速60mで同時に向かい合って歩き出しました。2人が出会うのは何分後でしょう。
2人は近づいていきます。1分間で兄が70m、弟が60m進むので、2人の距離は1分で130m縮みます。
70 + 60 = 130m(1分で縮む距離)
1560 ÷ 130 = 12分後
近づくときは速さをたす。理由は「両方から詰め寄っているから」です。
追いかける場合(追いかけ算)
弟が分速60mで歩き出しました。その6分後に、兄が分速70mで追いかけました。兄が弟に追いつくのは何分後でしょう。
まず、兄が出発する時点で2人がどれだけ離れているかを出します。
60 × 6 = 360m(弟の先行距離)
次に、1分間で差がどれだけ縮むかを考えます。同じ方向に進んでいるので、縮むのは速さの差の分だけです。
70 − 60 = 10m(1分で縮む距離)
360 ÷ 10 = 36分後
2つは同じことを言っています
| 1分で距離はどうなるか | 計算 | |
|---|---|---|
| 向かい合う | 速さの和だけ縮む | 70 + 60 = 130 |
| 追いかける | 速さの差だけ縮む | 70 − 60 = 10 |
公式が2つあるのではなく、「1分でどれだけ縮むか」を求める方法が2通りあるだけです。この形で整理しておくと、問題文で迷わなくなります。
子どもに教えるときのコツ
必ず絵を描かせてください。 2つの点と、それぞれの進む向きの矢印だけで十分です。矢印が向かい合っていればたし算、同じ向きなら引き算。これは figure を見れば判断できるので、文章から公式を思い出すより確実です。
「1分で何m縮む?」と質問してください。 この問いに答えられれば、あとは割り算です。逆にここを飛ばして式を書き始めた場合は、たいてい和と差を取り違えています。
時間差のある出発に注意してください。 追いかけ算でつまずく原因のほとんどは、速さの差ではなく最初の差を出し忘れることです。「兄が出発した瞬間、2人は何m離れている?」を必ず先に聞いてください。
よくあるつまずき
答えが「何分後」なのか「何分間」なのかを混同する。 追いかけ算では、兄が出発してから36分後であって、弟が歩き出してからは42分後です。問題文がどちらを聞いているか、線を引いて確認する習慣をつけると防げます。
単位がそろっていない。 分速と時間、mとkmが混ざった出題は頻出です。計算を始める前に単位をそろえるというルールを先に決めておくのが確実です。
池のまわりを回る問題で混乱する。 同じ場所から反対向きに回れば出会い算(1周の距離を速さの和で割る)、同じ向きに回れば追いかけ算(1周の距離を速さの差で割る)です。1周分の距離が「2人の間の距離」にあたると気づけば、まったく同じ考え方で解けます。
読んだら、実際に解いてみよう
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