割合とは ─ 「何を1とみるか」だけ決まれば解ける
割合は、小学校の算数でいちばん多くの子がつまずく単元です。
原因ははっきりしています。式は3種類しかないのに、どれを使うか決められないからです。数字が2つ出てきたとき、かけるのか割るのか、割るならどちらをどちらで割るのか。ここで止まります。
覚えることは1つだけ
割合の問題は、結局これだけです。
もとにする量 × 割合 = くらべる量
「もとにする量」が1にあたるもの、「くらべる量」が比べられるほうです。この式ひとつを変形すれば、3パターン全部になります。
くらべる量 ÷ もとにする量 = 割合
くらべる量 ÷ 割合 = もとにする量
つまり、公式を3つ覚える必要はありません。問題文のどれが「もとにする量」かを見つけられれば終わりです。逆に言えば、そこが見つけられないから解けないのです。
「もとにする量」の見つけ方
日本語の形で決まっています。次の言葉の直前にあるものが、もとにする量です。
| 言い方 | もとにする量 |
|---|---|
| Aの◯% | A |
| Aをもとにすると | A |
| Aに対して | A |
| Aの◯倍 | A |
定価800円の品物を、定価の20%引きで買いました。
「定価の20%」なので、もとにする量は定価800円です。
子どもに教えるときのコツ
式を書かせる前に、「1とみるのはどっち?」とだけ聞いてください。 ここが答えられれば、あとは自動的に決まります。答えられないうちに式を書かせると、当てずっぽうで数字を並べる癖がつきます。
「の」の前に線を引かせるのが有効です。 「定価の20%」なら定価に線。機械的ですが、日本語の構造どおりなので、かなりの確率で正解します。
答えが元の数より大きいか小さいかを、計算前に予想させてください。 「20%引きなら安くなるから800円より小さいはず」と言えれば、割り算とかけ算を取り違えても自分で気づけます。検算ではなく予想というのがポイントで、これは中学以降もずっと使えます。
くもわの図はおすすめしません
「くもわ」(くらべる量・もとにする量・割合)の円を書いて覚える方法が広く使われていますが、私はおすすめしません。
図の置き方を覚えているだけで、意味を理解していない状態になりやすいからです。数字が3つある問題や、割合どうしをかける問題になると、図に当てはまらなくなって手が止まります。
遠回りに見えても、「もとにする量はどれか」を毎回考えさせるほうが、最終的に速くなります。
よくあるつまずき
%と小数の変換で止まる。 20% = 0.2 の変換が自動でできないと、そこに気を取られて肝心の構造を見失います。ここは先に反射で出るまで練習させてください。
「◯%増し」「◯%引き」の処理。 20%引きは「0.2をかける」ではなく「0.8をかける」です。残りがいくつになるかを先に言わせると防げます。
比べる相手が途中で変わる問題。 「定価の20%引きで売り、さらにそこから10%引き」のような問題では、2回目のもとにする量は定価ではありません。「今度は何を1とみる?」と聞き直す習慣をつけてください。
読んだら、実際に解いてみよう
割合と比のドリルへ