トクマル算数

ニュートン算 ─ 「増える」と「減る」を1分あたりで差し引く

2026-10-05 更新 ・ 保護者向け

行列に人が並び続けているなか、窓口が客をさばいていく。水が流れこみ続ける水そうから、ポンプで水をくみ出す。草が生え続ける牧場で、牛が草を食べる。

これらはすべて同じ問題で、ニュートン算と呼ばれます。特徴は**「減らしている最中にも増えている」**ことです。ここが普通の割り算の問題とちがうところで、多くの子がつまずきます。

基本の考え方

開場前に 180 人が並んでいます。開場後も毎分 6 人ずつ列に加わります。窓口 1 つは毎分 12 人を入場させます。窓口が 1 つのとき、列は何分でなくなりますか。

180 ÷ 12 = 15分 としたくなりますが、これはまちがいです。15 分のあいだにも人が加わっているからです。

1分あたりで差し引きして考えます。

入場する人 12人
加わる人    6人
減る列     12 − 6 = 6人

どれも 1 分あたりの人数です。列は毎分 6 人ずつしか減りません。

180 ÷ 6 = 30分

窓口を増やすとどうなるか

同じ場面で、窓口を 2 つにしてみます。

入場する人 12 × 2 = 24人
減る列     24 − 6 = 18人
180 ÷ 18 = 10分

窓口を 2 倍にしたら、時間は半分の 15 分ではなく、3分の1の 10 分になりました。

ここがニュートン算のおもしろいところで、同時に引っかけどころです。加わる人数は窓口の数に関係なく一定なので、窓口を増やすと「差し引きの減り方」は 2 倍より大きくなります。「窓口が 2 倍だから時間は半分」という比例の感覚は通用しません。

応用:何も分かっていないように見える問題

難関校では、1分あたりの人数が書かれていない形で出ます。

ある窓口に行列ができていて、一定の割合で人が加わり続けています。窓口を 3 つ開けると 30 分で、5 つ開けると 10 分で列がなくなります。窓口を 4 つ開けると、何分で列がなくなりますか。

人数がひとつも書かれていませんが、解けます。窓口 1 つが 1 分で入場させる人数を「1」とおくのがコツです。

1. 入場した人数の合計を出す

窓口3つで30分 → 3 × 30 = 90
窓口5つで10分 → 5 × 10 = 50

2. 差に注目する

入場した人数は「最初の人数 + 途中で加わった人数」です。最初の人数は同じなので、90 と 50 の差は加わった人数の差です。

90 − 50 = 40
30分 − 10分 = 20分
40 ÷ 20 = 2
→ 1分に加わる人数は 2

3. 最初の人数を出す

90 − 2 × 30 = 30

(確かめ:50 − 2 × 10 = 30 で一致します)

4. 窓口 4 つの場合を計算する

1分で減る列  4 − 2 = 2
30 ÷ 2 = 15分

2通りの条件の差をとると、最初の人数が消える。これは過不足算と同じ発想です。

子どもに教えるときのコツ

「その間にも増えているよね?」と聞いてください。 最初の人数をそのまま割ってしまう間違いは、この一言で防げます。お風呂のせんを抜きながらお湯を足す場面を想像させると伝わりやすいです。

1分あたりの「増える」「減る」「差し引き」を3行で書かせてください。 この3行が書ければ、基本問題は必ず解けます。

応用問題では「全部でどれだけさばいたか」を先に出させてください。 窓口の数 × 時間です。ここから差をとる流れは毎回同じなので、手順として身につきます。

よくあるつまずき

最初の量だけを割る。 増える分を忘れる、いちばん多い間違いです。

窓口の数と時間を比例・反比例で考える。 上で見たとおり成り立ちません。必ず差し引きを計算します。

差し引きが 0 以下になる場合を見落とす。 入場させる人数が加わる人数以下だと、列は永遠になくなりません。「窓口は最低いくつ必要か」という問いは、ここを聞いています。

読んだら、実際に解いてみよう

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