トクマル算数

食塩水の濃度 ─ 追いかけるのは「食塩の重さ」だけ

2026-10-05 更新 ・ 保護者向け

食塩水の問題は、割合の単元の中でもとくに苦手な子が多いところです。

原因は、濃度(%)どうしを直接計算しようとすることにあります。5% と 10% を混ぜたら 15%、あるいは間をとって 7.5%。どちらもまちがいです。

濃度は足したり平均したりできません。追いかけるのは食塩の重さです。

濃度の意味

濃度 = 食塩 ÷ 食塩水全体

「全体」は食塩と水を合わせた重さです。水だけの重さで割る間違いが多いので、最初に確認してください。

これは割合の式そのものです。食塩水全体が「もとにする量」、食塩が「くらべる量」にあたります。

食塩 = 食塩水 × 濃度

10% の食塩水 300g なら、食塩は 300 × 0.1 = 30g です。

表に整理すれば必ず解ける

どんな問題も、「食塩水・濃度・食塩」の3行の表に書きこめば解けます。

5% の食塩水 200g と、10% の食塩水 300g を混ぜると、何 % の食塩水になりますか。

A B 混ぜた後
食塩水 200g 300g 500g
濃度 5% 10% ?
食塩 10g 30g 40g

食塩水の重さと食塩の重さは、横に足せます。濃度の行だけは足せません。

40 ÷ 500 = 0.08 → 8%

3つの場面

食塩水の問題は、ほぼ次の3つのどれかです。どれも「食塩の重さがどうなるか」を見れば同じ手順で解けます。

水を加える(うすめる)

8% の食塩水 300g に水を 100g 加えると、何 % になりますか。

水を足しても食塩の重さは変わりません。

食塩 300 × 0.08 = 24g
全体 300 + 100 = 400g
濃度 24 ÷ 400 = 0.06
→ 6%

水を蒸発させる(こくする)

6% の食塩水 400g から水を 100g 蒸発させると、何 % になりますか。

蒸発するのは水だけで、食塩は残ります。

食塩 400 × 0.06 = 24g
全体 400 − 100 = 300g
濃度 24 ÷ 300 = 0.08
→ 8%

食塩を加える

食塩を足すと、食塩も全体も両方増えます。全体を増やし忘れる間違いが非常に多い場面です。

てんびん図について

塾では、混ぜる問題を「てんびん図」で解く方法を習うことがあります。

先ほどの例なら、重さの比が 200 : 300 = 2 : 3 なので、濃度の差はその逆の 3 : 2 に分かれます。5% と 10% のあいだ(差は 5%)を 3 : 2 に分けて、5 + 3 = 8%。たしかに速く解けます。

ただし、てんびん図は表で解けるようになった後に使う道具です。意味が分からないまま図の形だけ覚えると、水を加える問題(濃度 0% の食塩水を混ぜると考える)や、食塩を加える問題(濃度 100%)で手が止まります。お子さんが塾でてんびん図を習っていたら、「同じ問題を表でも解ける?」と聞いてみてください。

子どもに教えるときのコツ

「食塩は何 g?」を最初の質問にしてください。 濃度の数字を見たら、まず食塩の重さに直す。この習慣だけで正答率が変わります。

「変わらないものは何?」と聞いてください。 水を加えても蒸発させても、食塩の重さは変わりません。変わらないものを軸にするのは、特殊算全般に通じる考え方です。

答えの見当をつけさせてください。 5% と 10% を混ぜたら、答えは必ずそのあいだになります。しかも量の多いほう(10% が 300g)に近いはずです。8% という答えはこの見当と合っています。15% や 3% が出たら、計算する前におかしいと気づけるようにしておくと、試験で強いです。

よくあるつまずき

濃度を足す、平均する。 最も多い間違いです。足せるのは重さだけです。

水の重さで割る。 濃度は「食塩水全体」に対する割合です。食塩 20g を水 100g に溶かしたら、全体は 120g です。

やりとりが2回ある問題で混乱する。 「混ぜてから水を足す」のように操作が続く問題は、1回ごとに表を書き直させてください。1つの表に全部書こうとすると崩れます。

読んだら、実際に解いてみよう

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