トクマル算数

速さと比 ─ 「同じ道のりなら時間は逆比」で計算が消える

2026-09-20 更新 ・ 保護者向け

難関校の速さの問題は、まともに計算すると分数だらけになります。合格する子は、そこを比で処理しています。

速さと比の関係は2つだけです。ここを理解しているかで、解答時間が何倍も変わります。

2つの関係

1. 道のりが同じなら、速さと時間は逆比

A は分速 60m、B は分速 90m で、同じ道のりを歩きます。

速さの比は 60 : 90 = 2 : 3。このとき、かかる時間の比は 3 : 2 になります。ひっくり返ります。

理由は単純で、速いほど時間は短くなるからです。3倍速く進めば、時間は3分の1で済みます。

2. 時間が同じなら、道のりと速さは比例

A と B が同じ時間だけ歩きます。

速さの比が 2 : 3 なら、進む道のりの比も 2 : 3。こちらはひっくり返りません。

何が同じかを先に決める

使い分けの判断はここだけです。

問題文で同じもの 比の関係
道のりが同じ 速さと時間が逆比
時間が同じ 速さと道のりが正比例
速さが同じ 時間と道のりが正比例

「何が同じか」を問題文から先に見つけてください。 それが決まれば、残り2つの関係が自動的に決まります。

計算が消える例

家から駅まで、行きは分速 60m、帰りは分速 90m で歩いたところ、往復で 25 分かかりました。家から駅までは何 m ですか。

比を使わない解き方は、道のりを □ として □÷60 + □÷90 = 25 を解くことになり、小学生にはつらい式です。

比を使う解き方はこうなります。行きと帰りは同じ道のりなので、時間は速さの逆比です。

速さの比 60 : 90 = 2 : 3
時間の比 = 3 : 2

往復 25 分を 3 : 2 に分ければ、

行き 25 × 3/5 = 15分
帰り 25 × 2/5 = 10分

あとはどちらかで道のりを出すだけです。

60 × 15 = 900m

割り算も分数も出てきませんでした。 これが比を使う最大の利点です。

子どもに教えるときのコツ

「何が同じ?」を口ぐせにしてください。 道のりが同じなのか、時間が同じなのか。これを毎回声に出させると、逆比か正比例かで迷わなくなります。

逆比を暗記させないでください。 「速いほうが時間は短い」という当たり前の感覚から毎回導かせます。暗記した子は、正比例の場面でも逆比にしてしまいます。

比の数字に単位をつけさせないでください。 3 : 2 の 3 は「3分」ではありません。ここを混同すると、あとで実際の数値に直すときに崩れます。「比はまだ数字が決まっていない状態」という感覚を持たせてください。

難関校ではこう使われます

速さが変わる場面

途中から速さを 1.5 倍にしたので、予定より 10 分早く着いた。

速さが 1 : 1.5 = 2 : 3 なら時間は 3 : 2。差の 1 が 10 分にあたる、と分かります。差に注目するのが定石です。

出会いと追いこし

A と B が向かい合って進み、出会うまでに A は 600m、B は 900m 進んだ。

同じ時間進んでいるので、道のりの比=速さの比。600 : 900 = 2 : 3 がそのまま速さの比になります。

旅人算との組み合わせ

旅人算やダイヤグラムと組み合わされるのが、難関校の標準的な出題です。グラフの交点から比を読み取る、という二段構えになります。

よくあるつまずき

逆比にする場面としない場面を取り違える。 圧倒的に多い間違いです。「何が同じか」の確認を飛ばすと、ほぼ必ずここで落とします。

比の何倍が実際の数値かを見失う。 3 : 2 と出したあと、「この 1 が何分にあたるか」を必ず書き留める習慣をつけてください。

3人以上の比をそろえられない。 A:B と B:C が別々に出たとき、B をそろえて A:B:C にする連比の操作が必要です。ここは比の単元として別途練習が要ります。

読んだら、実際に解いてみよう

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